メルセデス・ベンツ Aクラス試乗評価 メルセデスなのに、価格的フレンドリーになったスポーティ・ハッチバック

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【メルセデスベンツ】2013/03/25

 

 

従来のモデルとは、まったく異なるコンセプトで生まれた新型Aクラス

メルセデス・ベンツ Aクラス試乗評価

 新型メルセデス・ベンツAクラスは、今回のモデルで3代目。3代目メルセデス・ベンツAクラスは、これまでの2代のモデルとは異なる新しいコンセプトで作られた。

以前のAクラスはメルセデス・ベンツ初の市販FF車として、燃料電池車に使うことも考慮した独特のボディ構造を持つスペース系のモデルだった。専用のプラットホームは床面が高くなるという欠点があったが、衝突安全の面では優れた構造だった。

新型メルセデス・ベンツAクラスでは、新プラットホームを採用するとともに、同じプラットホームを採用するBクラスより全高の低いスポーティなパッケージングを採用するクルマに変わった。これまでのAクラスユーザーは、Bクラスに任せた形である。

メルセデス・ベンツ Aクラス試乗評価
メルセデス・ベンツ Aクラス試乗評価
メルセデス・ベンツ Aクラス試乗評価
メルセデス・ベンツ Aクラス試乗評価

 

 

アグレッシブなスタイルに、メルセデスらしい高いクオリティ

メルセデス・ベンツ Aクラス試乗評価

 外観デザインは、ワイド&ローのプロポーションに傾斜を強めたAピラーなど、いかにもスポーティな雰囲気にまとめられている。ボディサイドには、明確なキャラクターライン描かれていて、AクラスのAはアグレッシブのAだというのが良く分かるデザインだ。

フロントグリルに大きめのスリーポインテッドスターが配置されるのは、本来はスポーツモデル専用の仕様だったはずだが、最近では、普通のセダンにもこれが採用されるようになり、そのことが一層スポーティさを強めている。

しっかりした作りのスポーツシートや、インテリア回りのクオリティなどはさすがにメルセデス・ベンツといった印象。もちろん上級モデルのようなラグジュアリーさはないが、エントリーモデルのAクラスであっても安っぽさを感じさせない作りだ。

メルセデス・ベンツ Aクラス試乗評価
メルセデス・ベンツ Aクラス試乗評価
メルセデス・ベンツ Aクラス試乗評価

 

 

滑らかでスポーティな走り

メルセデス・ベンツ Aクラス試乗評価

 搭載エンジンは、直列4気筒1.6Lの直噴ターボ仕様。ダウンサイジングの直噴ターボ仕様は、今やヨーロッパでは標準エンジンともいえるもので、いろいろなメーカーのいろいろな車種がこの排気量と仕様のエンジンを搭載している。

Aクラスのエンジンが発生する90kW/200N・mという動力性能は、奇しくもゴルフ6の主要のグレードと同じ数値であり、最大トルクを発生する回転数の下限がやや低いことが相違点となる程度だ。

このクラスには、さらにパワフルな仕様のエンジンを搭載したモデルがたくさんあるので、Aクラスの絶対的な動力性能は特に際立ったものではないが、実際に走らせてみると数値以上にスポーティな印象を受ける。これはドライブモードの選択によっても変わるのだが、Sモードで走らせたときには、十分にスポーティな走りが楽しめる。

逆にEモードにして走ると、走りは全体にマイルドな感じになり、7速のツインクラッチ式ATである7G-DCTの変速フィールも穏やかなものになる。CVT車に乗っているのかと勘違いしそうになるくらいの滑らかな走りだ。

この7G-DCTはステアリングコラムの裏側にセレクターレバーがあり、変速操作はパドルによって行う仕組み。Sクラスから採用が始まった方式だが、Aクラスまで広がってきたので、メルセデス・ベンツは基本的にこの方式を採用するのだろう。

メルセデス・ベンツ Aクラス試乗評価
メルセデス・ベンツ Aクラス試乗評価
メルセデス・ベンツ Aクラス試乗評価

 

 

お買得感のある価格で登場したボルボV40の前では、少々割高に感じるAクラスの価格

 メルセデス・ベンツAクラスには、A180ブルーエフィシェンシーとA180ブルーエフィシェンシースポーツの2台に試乗した。この2台では、足回りに違いがあった。スポーツには、専用にチューンされた足回りが用意され、タイヤも18インチになるからだ。

このため、スポーツはシャキッとした走りが得られるのだが、乗り心地はかなり硬めの印象になる。日常シーンでの快適性を考えたら、17インチタイヤを履く標準車を選んだほうが良さそうだ。

スポーツの足回りがもうひとつの印象なのは、最低地上高がたったの95mmしかないからでもある。先に発売されたBクラスで、最低地上高が105mmになっていて、これはタワーパーキングにも入る全高に抑えるために低めの地上高としていたのだが、新しいAクラスはさらに低い95mmである。

これだけ低い最低地上高は、SLS AMGでも採用していない。走行シーンによってはボディの下回りを擦るケースが出ることも覚悟しておく必要がある。

Aクラスは、快適装備も安全装備も全体に充実した仕様が用意されるものの、追突軽減ブレーキは装備されていない。前の車両に接近したときの警報が用意されているだけだ。このあたりはやや物足りない部分である。

標準のA180ブルーエフィシェンシーで284万円、同スポーツで335万円という価格は、まずまず手頃な水準ではあるものの、後から登場してきたボルボV40がベース車で269万円という価格を設定している。割安感を感じさせるのはV40のほうだ。

メルセデス・ベンツAクラス 価格 燃費 スペック等

■メルセデス・ベンツAクラス価格
・A 180 BlueEFFICIENCY 284万円
・A 180 BlueEFFICIENCY Sports 335万円
・A 250 SPORT 420万円

 

 

 

 

代表グレード メルセデス・ベンツA180
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,290×1,7805×1,435mm
ホイールベース[mm] 2,700mm
トレッド前/後[mm] 1,545/1,545mm
車両重量[kg] 1,430kg
総排気量[cc] 1,595cc
エンジン最高出力[kW(PS)/rpm] 90(122)/ 5,000rpm
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 200(20.4)/1,250〜4,000rpm
ミッション 7速DCT
タイヤサイズ 225/45R17
JC08モード燃費 15.9km/L
定員[人] 5人
税込価格[円] 2,840,000円
発売日 2013/1/17
レポート 松下 宏
写真 編集部

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