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トヨタ ミライ(MIRAI)長期レポートVol.1
「自ら水素社会への第1歩を踏み出したい!」自動車評論家 松下 宏、ミライを購入! 実生活の中で、燃料電池車ミライを評価する

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2015/03/18

インフラの制約はあるものの、全く新しい価値をもつトヨタ ミライを自ら試さずにはいられない?

自動車評論家 松下 宏
自動車評論家 松下 宏
 燃料電池車(FCV) であるトヨタ ミライ が発売され、私はすぐに購入の申し込みをした。

 それは、トヨタ ミライが既存のクルマとは異なる全く新しいクルマであり、究極のクルマともいえる存在だからだ。全く新しいパワートレーンを持つクルマなので、それをしっかり試したいというのが購入の最大の動機である。ミライは燃料電池車という名前の電気自動車で、電気自動車と考えたらこれまでにも三菱 i-MiEV日産 リーフ などがあるわけだが、自ら発電しながら走るという点でミライは決定的に違っている。

 i-MiEVやリーフのときにも購入を考えないではなかったが、航続距離が短すぎて実用的な使い勝手の面で無理があるほか、自宅に充電設備を設ける必要があることも大きなハードルになった。集合住宅に住んでいると、自分用の充電設備を勝手に設けることができないから、事実上電気自動車プラグインハイブリッド を買うには非常に難しい状況になっているからだ。

 トヨタ ミライは、i-MiEVやリーフなどの既存の電気自動車と比較すると、航続距離が長いのがまず良い点だ。JC08モードで650kmを走れるとされている。実際に使うと走行条件によって500kmを切るだろうし、それよりもずっと手前で水素を充填することを考えると、実質的な航続距離は400kmかそれ以下だと考える必要があるが、それでもリーフよりずっと長い航続距離である。

 また、トヨタ ミライは自宅に専用の充電設備を必要としないのも良い点だ。電気自動車を買えない環境にいる人でも燃料電池車なら買える。実際には水素ステーションのインフラが課題になるので、買える人は当面は四大都市圏に住む人に限られるのだが、東京に住んでいれば取り敢えず何とか充填できる環境がある。

 そうしたことを踏まえ、私にとってトヨタ ミライは電気自動車に比べたら格段にリアリティのあるクルマだった。水素ステーションの制約はあるが、それを含めて新しいパワートレーンの使い勝手を試したいという気持ちである。
トヨタ ミライ(MIRAI)
トヨタ ミライ(MIRAI)
トヨタ ミライ(MIRAI)
トヨタ ミライ(MIRAI)

炭素時代は、もう終わり! 水素時代へ自ら進むための第1歩がミライの購入だ!

トヨタ ミライ(MIRAI)
水素充填は、約3分程度。満タンで約650㎞程度走行可能。80%充電で約30分必要な電気自動車に比べれば非常に早く満タンにできるのもミライの魅力だ
 トヨタ ミライは、環境性能において究極のクルマであることも購入を決断した大きな理由だ。走るときに有害な排出物を発生せず、発生するのは水だけである点が燃料電池車の良いところだ。電気自動車も走るときに有害な排出物を発生しないが、燃料電池車は水素を使い自分で発電しながら走る点で、電気自動車を上回っている。

 現在、世界は石油や天然ガスなどの炭素系エネルギーを使う炭素社会だが、炭素を燃やしたときに発生する二酸化炭素が地球温暖化につながるものと懸念されている。温暖化を防ぐ観点からも、炭素社会から将来的に水素をエネルギーとした水素社会に変わっていくというのが、長期的な展望とされている。水素社会は必然性のある未来像として考えられている。

 その水素社会に向かう第一歩ともいえるのが燃料電池車のミライだ。水素社会へのファーストステップを自分の足で進めたいと考えた。こうした想いでミライを購入するという人も多いのではないだろうか。

 水素社会に対しては、いろいろな考え方があるのは事実。現状では石油や天然ガス、石炭などの炭化水素から水素を取り出すような方法が考えられている。それでは、脱炭素にならないじゃないかとの指摘がある。あるいは水素を液化、圧縮、輸送することなどを考えると、コストや効率が悪いのではないかという指摘もある。

 でも、多くの燃料電池車が走り出し、たくさんの人々が脱炭素時代を目指せば、そうした課題がひとつずつ解決されていくはずだ。島国ゆえに、常にエネルギー問題を抱える日本において、トヨタを始め、日本の多くの企業が脱炭素時代を目指し技術開発すれば、世界をリードする水素社会が誕生すると思っている。そのためにも、まずミライに乗り、水素社会へのスタートを切りたいと思う。
トヨタ ミライ(MIRAI)
トヨタ ミライ(MIRAI)
トヨタ ミライ(MIRAI)

普段の生活に入れてこそ、ミライの本当の実力が分かる! 長期に渡り、トヨタ ミライを評価していく

トヨタ ミライ(MIRAI)
335Nmという最大トルクをもつモーター。V6 3.5Lガソリンエンジンとほぼ同等の最大トルクだ
 その昔、私は初代プリウス も即買いした。新しいパワートレーンという点で、既存のクルマとは全く違うクルマが登場すると聞いたとき、やはり試乗する前、現車を見る前に注文して、試してみようと思ったのだ。

 単に、新し物好きというより、自動車評論家として全く新しい機構を備えたクルマを試すのは一種の義務でもある。

 単に試乗車を借りて数日乗り、すべてが分かるほどミライは単純なクルマではないと思う。初代プリウスに比べたらはるかに高価で、水素ステーションというインフラ面のハードルもあるミライは試し理解するのは簡単ではない。だからこそ、自分のクルマとして乗って、普段の生活の中で試したいと考えている。

 燃料電池車トヨタ ミライを実生活の中で感じたこと、良かった点、悪かった点などを今後長期でレポートしていく。世界初となる市販燃料電池車の魅力や、これから向かっていく水素時代への一助になれば幸いだ。
トヨタ ミライ(MIRAI)
フロア下に多くの重量物が配置されている。低重心化されているので、運動性能も高い
トヨタ ミライ(MIRAI)
ミライの走行概念図。グリル付近から空気(酸素)を吸い込み、酸素と反応させ電力を得て、水を排出する仕組みの流れが分かる
トヨタ ミライ(MIRAI)
高圧水素タンクの「登録容器製造業者」として経済産業の認可を得た水素タンク。70MPaという高圧で水素を貯蔵することで、長距離走行が可能となっている

トヨタ ミライ価格、航続距離、スペックなど

■トヨタ ミライ価格:7,236,000円

代表グレード トヨタ ミライ(TOYOTA MIRAI)
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,890×1,815×1,535mm
ホイールベース[mm] 2,780mm
トレッド前/後[mm] 1,535/1,545mm
車両重量[kg] 1,850㎏
最小回転半径[m] 5.7m
FCスタック型式 FCA110
FCスタック最高出力[kw(ps)] 114(155)kw(ps)
高圧水素タンク容量[L](2本) 122.4L(前方60.0L/後方62.4L)
モーター最大出力[kw(ps)] 113(154)kw(ps)
モーター最大トルク[N・m(kg-m)] 335(34.2)N・m(kg-m)
駆動用バッテリー ニッケル水素電池
容量[Ah] 6.5Ah
サスペンション(フロント/リヤ) ストラット式コイルスプリング/トーションビーム式コイルスプリング
最高速度(㎞/h) 175㎞/h
一充電走行距離距離[㎞] 約650㎞(JC08モード走行パターンによるトヨタ測定値)
定員[人] 4人
税込価格[円] 7,236,000円
発表日 2014年11月18日
レポート 松下 宏
写真 トヨタ/編集部

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