巻き返しなるか! バス・鉄道vs1000円高速道路対決!![CORISM] [CORISM]

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【生活・文化】2010/04/12

まれに見る交通戦国時代の幕開け!

 近年騒がしいのが、高速道路事情。ETCが飛ぶように売れた「週末1000円」からはや1年だ。政権は変わり、今年度はついに実験的な一部無料化へ。そんな「強敵」の登場に、他の交通網である高速バスや新幹線はかなり慌てている。しかし消費者の目からすれば、どんなサービスを打ち出してくれるのか、ちょっと楽しみなところ。つまり、今こそ上手く使えばトクするチャンスだということだ。列島で繰り広げられる「乗り物合戦」の行方を追ってみる。

高速バスは快適空間創出をアピール

 1000円高速によって大打撃を受けているのが地方のバス会社。収入の柱である高速バスの利用者が減り続け、路線バスの赤字を補填できなくなってしまっている。売上げが2割減り、大規模なリストラに踏み切るところもあるそうだ。そんな中、新しい試みで注目を集めるのが、全国に高速ツアーバスを運行しているウィラートラベルだ。2月から「バスの移動時間をもっと楽しく」をコンセプトとした昼間専用の新シート「シアター」を開始。各座席の後部に液晶スクリーンが設置され、映画、音楽、ゲームなどの内蔵コンテンツをいつでも楽しめる。飛行機のビジネスクラス並みの待遇でお出迎えだ。
 さらに同社の「エグゼクティブ」は従来のイメージを払拭。2列シートのゆったりした座席に、カーテンを仕切れば個室仕立てにもなる。女性専用車の「プリマ」はカラフルな花柄シートで惹きつけるなど、好評を博している。平成エンタープライズが昨夏から運行している女性限定「プルメリア号」もアメニティが充実していて、今後はさらに女性の一人旅でも安心できる車両が増えてきそうだ。

車内販売サービスの向上に注力する新幹線

 もちろん鉄道もウカウカしていられない。それどころか、JR6社で約250万円の減収という試算もあるのだから冷や汗ものだ。新幹線は割引チケットの期間延長などで対応したが、それだけでは追いつかないと、車内サービスに力を入れ始めている。ビジネスマンが少なく、観光客が4割を占めるJR山陽新幹線は、パーサーと呼ばれる社内販売員の徹底教育で、乗客の要望により丁寧に接する姿勢を貫く。「また乗りたい」と思わせる雰囲気づくりに取り組んでいるのだ。1日50万円という売上げ記録も打ち出した、JR山形新幹線の“カリスマ販売員”茂木久美子さんは著書「買わねぐていいんだ。」(インフォレスト)を出版するほど注目が集まっているので、サービス向上の波は今後も高まってくるだろう。
 各社がしのぎを削る、この国の交通事情。しかし、人がいる限り移動し続けることは変わらない。高速道路の値下げ施策によって、既存交通機関の売上げが一時的に落ちるのはしょうがないところだが、いかに柔軟に対策を打ち出せるかどうかが分かれ目になるだろう。ますます目が離せない、我々の「移動」は果たしてどうなる!?

「WILLER EXPRESS」ホームページ[WILLER TRAVEL(ウィラートラベル)]

(レポート:CORISM編集部

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